語彙 2013 5 12
書名 究極の英単語 Vol.3 上級の3000語
出版社 アルク
最近は、本屋に、英語学習のために、
優れた参考書が多くなり、
英語学習者にとっては、
素晴らしい環境ができつつあります。
英単語についても、効率的に勉強ができるように、
優れた参考書が数多く出版されています。
そういう最適な環境で学習した日本人が、
「私の英語能力が向上した」と思って、
英字新聞を読むと、どうなるか。
最初の1行目から、つまずいて、
前に進まなくなるでしょう。
ましてや英文雑誌となると、
さらに難解な単語が使われていて、
1ページ読むにも1週間かかってしまい、
2ページ目に行く頃には、次の号が出版されてしまう。
「一生懸命、英単語を勉強したのに、
英字新聞や英文雑誌が読めなかった。
もっと語彙を増やしたい」
そういう人に、お勧めなのが、
「究極の英単語 Vol.3 上級の3000語」です。
私が見た限りでは、この本を使えば、
英字新聞や英文雑誌を読む能力がつくと思います。
もちろん、時事英語を読むには、
難解な英単語を覚えるだけでは不十分です。
実は、簡単な単語にも、
英語学習者がつまずく原因があります。
日本の学校では、「top」という単語を、
名詞で教えることが多いと思います。
しかし、時事英語を読んでいると、
「top」という単語は、動詞として使われることが多いと思います。
「(数量や記録を)超える。上回る」という意味です。
さて、それほどまでに苦労して、
時事英語を読むメリットはあるのか。
日本人にはない「多様な意見や見方」を獲得することができる。
あるいは、上品なユーモア精神を身に付けることができるでしょうか。
イカの戦争 2012 12 9
欧米人は、イカについては、どういうイメージでしょうか。
多くの人は、「異様で、気味が悪い」と思うかもしれません。
ましてや、深海で、4匹のイカが、
互いに、絡みついている姿を見たら、不気味に思うかもしれません。
しかし、日本人は、イカが好きです。
海洋民族で魚介類が好きな日本人にとって、
イカは、日本料理に欠かせないものです。
たとえば、イカの刺身、イカの天ぷら、イカのSushiなど、いくらでもあります。
だから、日本人が、深海で、
4匹のイカが、互いに、絡みついている姿を見ても、
「おいしそうだ」と思うでしょう。
ちょっと待った。
「さすがの日本人でも、このイカは食べられない」
よく見ると、このイカの胴体には、
「Google」や「amazon」、
食べかけのリンゴ、小文字の「f」が描かれています。
「こんなイカは、食用ではない」
実は、「The Economist December 1st」の表紙が、
深海で、4匹のイカが、互いに、絡みついている姿だったのです。
「Survival of the biggest」
「Concern about the clout of the internet giants is growing.
But antitrust watchdogs should tread carefully.」
グーグルにしても、フェイスブックにしても、
あまりにも短期間で急速に拡大し、
その結果、市場は寡占化されつつあります。
そう言えば、思い出すことがあります。
もう10年以上前になるでしょうか。
マイクロソフトとアメリカ司法省との戦いです。
パソコンの基本ソフトであるWindowsを開発するマイクロソフトが、
ワープロソフトや表計算ソフトという応用ソフトまで開発し、
さらに、インターネット閲覧ソフトまで始めて、
市場を独占する情勢となったのです。
当時、マイクロソフトを、
「基本ソフトを開発する会社」と
「応用ソフトを開発する会社」に分割すべきだという議論がありました。
現実的に、そういう会社分割は、実現可能だったと思います。
しかし、いくら巨大化しても、
グーグルやフェイスブックを会社分割するのは、難しい。
「検索会社」と「タブレットを作る会社」に分割しますか。
これは、やってやれないことはありませんが、無意味だと思います。
ましてや、フェイスブックは、どうやって分割するのか。
インターネット時代の独占禁止法の運用は難しいものがあります。
そもそも、独占禁止法は、製造業を想定したものでしょう。
ところで、「The Economist」は、
今、日本で急速に拡大している「LINE」については、どう思うのでしょうか。
「LINE」は、フェイスブックを上回る速度で拡大しています。
絆 2012 11 25
書名 LINEスタートブック
著者 高橋 慈子 秀和システム
数年前までは、若者のコミュニケーションツール(SNS)とは、
「Twitter」や「Facebook」が主流でしたが、
今、急速に「LINE」が普及しつつあります。
おそらく、若者の間では、「LINE」が主流になったと思います。
こうした動きは、海外でも出ていて、
東アジアでも、急速に「LINE」が広がっていると聞きます。
中高年の方は、「そもそもLINEとは何か」と思ったでしょう。
簡単に言えば、「LINE」とは、利用者をスマートフォンに特化し、
スマートフォンで、リアルタイムのチャット(会話)や無料電話が利用できるサービスです。
おそらく、中高年の方は、無料電話というところに注目したと思いますが、
若者は、主に「トーク」と呼ばれるチャット機能を使っています。
なぜ、これが、若者に流行るのか。
リアルタイムのチャット、つまり、おしゃべりが簡単にできるからです。
これに対して、中高年の方は、こう考えるかもしれません。
「それならば、SMS(ショートメッセージサービス)を使えばよいのではないか。
携帯電話には、相手のメールアドレスを知らなくても、
相手の電話番号を指定して、短いメッセージを送る機能があるではないか」
確かに、「LINE」も、電話番号を使うという点は同じで、
SMSを発展させたものと言えるかもしれません。
しかし、おしゃべりは、一対一よりも、
多数で、おしゃべりをした方が楽しいでしょう。
特に、女性は、そういう傾向が強いと思います。
つまり、「LINE」では、一対一ではなく、
同時に、複数の人と、テキストメッセージで、おしゃべりができるのです。
たとえば、週末に、8人で、紅葉を見に行くと決めたとします。
しかし、天気予報が外れ、当日の朝は、突然の雨が降ってきました。
さあ、どうしますか。
誰かがリーダーとなって、SMSを使って、ひらすら残り7人に連絡を取り、
どうするかを協議しますか。
これは、なかなか面倒なことでしょう。
このような場合に、「LINE」は便利です。
何しろ、複数の相手と、リアルタイムに打ち合わせができるのです。
わざわざ、リーダーを決めておく必要はありません。
これは、仕事にも使えます。
簡単な打ち合わせや連絡調整に使えると思います。
さて、確か「はじめての最新LINE入門」(秀和システム)だったと思いますが、
その本には、「LINE」は、東日本大震災を受けて、開発が始まったようにも書いてあります。
東日本大震災によって、人々が「絆」を求めるようになったからです。
人と人との「結びつき」や「助け合い」を電子的に求めれば、「LINE」になるかもしれません。
ただし、「LINE」のアカウントは、スマートフォンの電話番号を使うので、
現実の友達関係を補強するものと言えるでしょう。
「Twitter」や「Facebook」は、アメリカ生まれのサービスですが、
「LINE」は、日本生まれのサービスです。
この日本式のサービスが、中高年の方に、どこまで広まるか、
あるいは、東アジアに、いや欧米に広まるか、見ものです。